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小松左京ライブラリ
第5回、星新一賞ご開催おめでとうございます。今年2017年は、1957年の国際地球観測年から、ちょうど60年目にあたります。終戦から12年、まだあまり豊かではなかった日本が、世界的規模の観測プロジェクトに参加し、南極に昭和基地を建設しました。当時、SF作家デビュー前だった小松左京は、次々報じられる最新科学の成果に目をみはり、その時の思いは、南極を重要な舞台とした長編「復活の日」に生かされました。嬉しいことに、「復活の日」を読んだことがきっかけとなり科学者を目指した方もいます。科学がイマジネーションを刺激し、そのイマジネーションが新たな科学を刺激する。記念すべき第5回星新一賞に、最新科学の刺激を受けて、さらに新たな未来の科学を生むきっかけとなるような素晴らしい作品が多く集まることを心から願っています。
日本SF作家クラブ
日経「星新一賞」も5回目。小さな小説、ショートショートがこんなにも愛されていることに、星新一さんの後輩である日本SF作家クラブの会長として、心から喜びの声を伝えさせていただきます。応募を考えているみなさんは過去の受賞作を読みましたか? 面白かったでしょう。読んでなくてもお気に入りのショートショートがあることでしょう。あなたは、今考えている作品がそれらの作品よりも優れたものになるかどうか不安になっていませんか? だいじょうぶです。あなたにしか書けないショートショートが必ずあります。そんな作品を今年も読ませてください。楽しみに待っています。
エヌ氏の会
★「夢を書くひと」<星新一氏を囲む会>を開催していた頃、星先生から常備薬『ベンザリン 』をいただいた。「いつも飲んでいる。この薬を飲むと、夜、夢を見ないんだ」と、おっしゃって笑う。それを聞いていた参加者が言う。「ベンザリンが先生の夢を食べているのですね」。「うまい考えだ。しかし、少し違うよ。夢を見ない代わりに、夢を原稿に書いているからね」と、おっしゃっているのを思い出した。第五回星新一賞も夢がある。大きな夢を現実化する理系小説に期待しています。
きまぐれ人工知能プロジェクト
作家ですのよ
第3回に引き続き第4回にもプロジェクトから人間とコンピュータが共同で創作した作品を応募しました。人狼知能プロジェクトの協力を得て、ストーリーにはコンピュータがプレイをした人狼のゲームの記録を使いました。その記録をわれわれのプロジェクトのプログラムが文章化して小説としました。引き続き星新一さんのようなショートショートが作れるように頑張っていきます。
独立行政法人
国立科学博物館
国立科学博物館は、動植物など自然史に関する標本や、科学技術の発展に関する資料を収集・保管し、それに関する調査研究を行っています。そしてそれらをもとに行う多彩な展示や学習支援活動を通じて、理系的な知識の提供だけでなく、発見や驚き、感動をあわせて提供する、「想像力の入口」でありたいと願っています。「星新一賞」をきっかけに、「理系的な知識」と「想像力」が融合された魅力的な作品が生まれ、さらにそれらの作品が今度は読者の想像力を刺激する。そういった、想像力の連鎖が起きることを期待しています。
一般社団法人
情報処理学会
情報処理学会は星新一賞を応援します。情報処理学会にはコンピュータやネットワーク、人工知能に始まり、音楽やゲーム、ユビキタス等幅広い分野の研究者・ 技術者が集まっています。その成果としてパソコンやインターネットそしてスマホが我々の生活を劇的に変えてきたことは皆さんご承知の通りです。そしてIT(情報技術)が社会インフラの全てを支えていると言っても過言ではありま せん。この様にして星新一さんの作品他SFで夢として描かれていたものが次々に現実のものになりました。今後生み出される新しいSF作品のなかから未来に繋げるとてつもない夢を生み出して欲しいと願っています。
一般社団法人
人工知能学会
人工知能学会はコンピュータ(ロボット)に人間のような知能を持たせることを目指す人工知能の研究者の集まりです。人工知能の目標となっている鉄腕アトムやHAL9000(「2001年宇宙の旅」に出てくるコンピュータ)はSFが創造したものです。われわれはそれらを現実のものとするために頑張っています。星新一賞からわれわれのさらなる魅力的な目標が生まれることを切に願っています。
公益財団法人
せたがや文化財団 世田谷文学館
「きょうの想像力があすを築く」。星新一さんのこの言葉を、世田谷文学館が2014年夏に開催した「日本SF展・SFの国」のキャッチコピーにさせていただきました。展覧会では、星さんの頭脳そのものともいえる自筆のアイデアメモなどご紹介しましたが、いずれの展示資料からも、星さんの「想像力」のとてつもないエネルギーが発せられており、私たちを圧倒しました。どうか星さんに負けない「想像力」で、選考委員の方々をあっと言わせる作品に挑んでください。応援しています。
一般社団法人
日本ロボット学会
我々、日本ロボット学会は、実用開発分野から最先端研究までロボット全般の研究開発を支援する学会です。SFとロボットは切っても切れない仲で、研究開発者の多くは、SF中の人とロボットの共存イメージから発想や夢を頂いていま す。一方、現実はかってSFが描いた世界に近づき、社会に様々なロボットが現れており、SFとロボット研究が相互に影響を与え合うようになってきていると思います。SFにもロボット研究開発にも、誰もが見たことの無いような斬新な未来を求められています。皆さんの大胆なイマジネーションに期待致します。
特定非営利活動法人
ロボカップ日本委員会
ロボカップでは、「21世紀半ばまでに、ヒューマノイドロボットがサッカーのチャンピオンチームと試合を行い勝利する」を目標としてロボットの研究開発を行っています。自律型ロボットがサッカーの試合を行ったり、災害現場で活躍できるロボットや一般の家庭で役に立つロボットが開発されたりしています。SFの世界で空想されたものが現実の製品として実現されているものも数多く現れています。不可能とも思える目標に近づくには日々の技術の積み重ねが必要ですが、時には大胆な発想の転換が重要な契機になる場合があります。想像の世界には不可能はありません。みなさんの斬新なアイデアに期待してます。
青山学院大学
国立大学法人
お茶の水女子大学
「理系的発想力」を発揮してつくられた物語、なんて魅力的な響きでしょうか。お茶の水女子大学は1875年に創立されて以来、理系女性教育にも力を注いできました。みずみずしい発想が、物語を通して未来への創造につながることを期待しています。それぞれの応募作品において、サイエンスのきらめきを感じとる瞬間が楽しみです。
慶應義塾大学
先端生命科学研究所
サイエンスにおいてもっとも重要なのは、ひらめきやアイデア、驚きと知的興奮であり、その意味ではアートと同じです。教科書の勉強ばかりが重視され、優等生を大量に輩出しようとする教育システムでは、サイエンスが退屈なものになってしまいます。「星新一賞」を通して多くの人がサイエンスの面白さを再認識し、科学立国ニッポンの将来を楽しいものにしてくれることを願っています。
公立大学法人
公立はこだて未来大学
理系の文学賞ということで、「星新一賞」に大変期待しています。公立はこだて未来大は情報系の大学ですが,送り出す学生にはコミュニケーション能力が求められており、それを重視した教育をしています。また情報技術というのはイマジネーション次第でいくらでも面白いことができる分野です。新しい社会の在り方に関するイマジネーションを膨らませ、それを人に上手に伝えるというのが未来大の目標でもあります。理系、特に情報系の若い人達の応募が増えるよう応援して行きたいと思います。
独立行政法人
国立高等専門学校機構
国立高等専門学校機構では、15歳から5年間の一貫教育を行う世界に誇れるユニークな高等教育機関である高等専門学校(高専)を全国に51校設置し、地域と世界が抱える諸課題に果敢に立ち向かう、深い科学的思考に根差した創造的・実践的技術者を育成しています。理系的発想力や想像力に富む文学より、科学と夢に興味を持つ方が増えることを期待するとともに、新たな科学技術の可能性を感じさせるような作品に出会えることを楽しみにしています。
国立大学法人
東京工業大学
東京造形大学
東京造形大学は,デザインや美術の造形活動を通して社会と文化の創造と発展に寄与する人材を育成する現場です。第一回星新一賞以来、毎回の受賞作品を対象に、言葉のイマジネーションに触発されて未だ人類が見たことのない未来を映像で表現する事業に取り組み、12作品がうまれました。毎回、次年度の表彰式会場で上映してきましたが、今後は星新一賞サイトでもご覧いただけるよう計画しています。
オーム社 / ロボコンマガジン
(株)オーム社は1914年の創立以来、科学技術全般にわたり、雑誌、専門書、実務書、教科書を発行して参りました。なかでも、1998年創刊の雑誌「ロボコンマガジン」はロボットコンテストをはじめ、ロボット製作やロボット研究の動向など、ロボットにかかわる情報を取り上げる総合情報誌ということで展開してきています。ロボットづくりを目指す人の多くは、小さい頃、漫画やSFなどで見たロボットを実現しよう、追い越そうというところからスタートしています。われわれと共生するロボットが生まれる源泉となる、瑞々しいSFたちの誕生に立ち会えることを光栄に感じ、また応援させていただます。
日経サイエンス
「日経サイエンス」は最先端の科学・技術の研究成果を広く一般向けに紹介している月刊誌です。中・高・大学生、研究者、ビジネスマンだけでなく、官公庁、教育や医療、技術開発などの現場でも幅広く読まれています。科学の進歩は社会の発展にかかせません。多くの皆様が日経「星新一賞」にチャレンジされることを願い、未来を拓くあっと驚く着眼・着想に出会えることを楽しみにしています。
「過去×過去=未来?」第5回日経「星新一賞」開催にあたって
星新一いわく、SFの発想を得るひとつの方法は、昔のもの(江戸時代の古道具など)を見て、それが使われた当時の様子を想像すること。それから、その想像を未来のほうに逆転させるのだそうです。遠い未来の人は私たちの生活をどう想像するだろうかと……。過去をじっくりと見つめ、そしてうしろをふりかえると、そこには未来人の眼が!? 普段使わない部分の脳をパチパチと活性化させて書いた小説。たのしみにお待ちしております。
2017年5月14日
星新一次女・星ライブラリ代表:星マリナ